秋の花粉症|ブタクサ・ヨモギ かぜとの見分け方と対策

こどもの病気なるほどコラム

Disease
こどもの病気なるほどコラム
  • 2026.10.09
  • アレルギー

秋の花粉症 ブタクサ・ヨモギに注意

秋の花粉症 ブタクサ・ヨモギに注意のイメージ画像

この記事の要点

  • ブタクサ・ヨモギ(キク科)の花粉は、夏の終わりから秋にかけて飛びます。
  • かぜとの見分け方のポイントは、目のかゆみをともなうことが多い/熱が高くならないことです。
  • イネ科やブタクサの花粉は、河川敷や手入れのされていない広場・野原で多いことが報告されています。
  • マスクやメガネで、鼻や目に入る花粉の量を減らすことが出来ます(実験で確かめられた花粉量のことであり、実際に症状がどれだけ軽くなるかを示した数字はありません)。
  • 症状が長引くときは、何の花粉に反応しているかを検査で調べられます。

秋にも花粉は飛んでいます

花粉症というと春のスギ・ヒノキを思い浮かべますが、飛ぶ花粉は季節によって違います。主な花粉が飛ぶ時期は、一般的に次のように整理されています。

  • ブタクサ・ヨモギ(キク科):夏の終わりから秋にかけて飛散
  • カモガヤ・オオアワガエリなどのイネ科:春から初秋までの長い期間飛散
  • スギ・ヒノキ:春が中心だが、秋にも少量の花粉が飛散することがある

※飛散する時期は地域によって違います。

秋に鼻水やくしゃみが続く場合、かぜではなく花粉症の可能性があります。

かぜとの見分け方

花粉症の季節は、かぜが流行する時期と重なります。くしゃみや鼻水はかぜの初期症状と似ていて、見分けにくいものです。診察では、次の2点を手がかりにしています。

目のかゆみ

花粉症では目のかゆみをともなうことが多いのが特徴です。ただし、これ一つで決まるものではありません。

熱が出ない

花粉症では、かぜと違って熱が高くなることはありません。ただし、花粉症のお子さんがかぜを併発している場合もあり、熱の有無だけで見分けられるわけではありません。

長引く鼻の症状は、副鼻腔炎など別の病気のこともあります。気になるときは診察を受けてください。

どこで花粉を浴びているのか

一般的に、市街地ではイネ科の花粉もブタクサの花粉もそれほど多くありません。ところが河川敷や、手入れのされていない広場・野原ではかなり多いことが報告されています。

つまり、草が生い茂っている場所に近づくと花粉を浴びる可能性が高くなります。外遊びやスポーツの際に、症状が強く出るかもしれません。

鼻の症状が続くときは

鼻水・くしゃみ・鼻づまり・目のかゆみが続くときは、一般の診療時間内にご相談ください。症状の出る季節や場所を教えていただけると診察の助けになります。

当日の順番を予約する 電話で相談する(072-744-1085)

家庭でできる花粉対策

花粉症の予防の基本は、いかに花粉を避けるかです。おすすめしているのは、マスク、メガネ、服装、手洗い・洗顔、室内の掃除と換気、花粉の多い時間帯の外出を避けること、の6つです。

マスク(約70%減)

マスクをしない場合に比べて、通常のマスクで約70%、花粉症用のマスクで約84%まで花粉を減らせたという実験結果があります。大切なのは顔にフィットするものを選ぶこと。横に隙間ができると、そこから入ってしまいます。毎日交換できる使い捨てのものがよいでしょう。

メガネ(約40%減)

目に入る花粉は、通常のメガネで約40%、防御カバーのついた花粉症用のメガネで約65%減ります。花粉の季節はコンタクトレンズの刺激で結膜炎が悪化することがあるので、メガネに替えていただくほうが安心です。

服装

ウール製の衣類は木綿や化繊に比べて花粉が付きやすく、室内に持ち込みやすい素材です。外側にウールを着るのは避けましょう。花粉が付きやすいのは露出している頭・顔・手なので、つばの広い帽子や手袋が役に立ちます。洗濯物や布団も外に干さない方が花粉の付着を避けられるでしょう。

うがいと洗顔

帰宅したらうがいと洗顔を。ただしていねいに洗わないと、目や鼻のまわりの花粉がかえって入り込み、症状が悪化することがあるようです。髪にも花粉が付くので、毎日洗髪しましょう。

換気と掃除

窓を全開にすると大量の花粉が入ります。窓を開ける幅を狭くし、レースのカーテンをすることで、流入する花粉を減らせます。入った花粉は床やカーテンに残るので、掃除とカーテンの洗濯を定期的に行いましょう。

グッズ・民間療法

花粉症関連グッズについては、実際に症状を改善する十分なデータがないものが多いです。民間療法も、科学的に有効と認められたものはありません。

医療機関でできること

どの季節に症状が出るかで、原因となる花粉をある程度は推定できます。そのうえで、どんな花粉に反応しているかを調べるには、医療機関での検査がすすめられます。小児科でも検査や治療を受けられます。

治療としては、飲み薬・鼻にスプレーする薬・目薬が使われます。飲み薬では第2世代の抗ヒスタミン薬がよく用いられ、鼻づまりが強い場合には抗ロイコトリエン薬も使われます。鼻には噴霧用の局所ステロイド薬、結膜炎には抗ヒスタミン点眼薬などが使われます。

また、初期療法といって、花粉が飛び始める前や症状のごく軽いうちから薬を使い、症状が出るのを遅らせたり軽くしたりする方法があります。近年はこの方法をとることが増えました。毎年同じ季節に症状が出るお子さんは、次のシーズンに向けてご相談ください。

お伝えしておきたいのは、今のところ薬だけで花粉症の症状を完全におさえるのは難しいということです。花粉を避ける工夫と、薬による治療。この2つを併用しましょう。

よくあるご質問

Q. 子どもでも花粉症になりますか?

A. なります。環境省が2002年から2年間、約5,000人の小学生を対象に行った調査では、スギ花粉症の有病率と、スギ花粉の飛散数・両親のアレルギー歴との間に関連が認められています。

Q. 何の花粉かは、どうすれば分かりますか?

A. 症状が出る季節からある程度推定できます。血液検査などで、どの花粉に反応しやすいかを調べることもできます。ただし検査はあくまで原因の候補を絞る手がかりの一つであり、検査だけで原因が確定するわけではありません。また、検査が必須というわけでもありません。症状が出る時期・場所等と合わせて判断します。

Q. 果物を食べると口の中がかゆくなります。関係ありますか?

A. 関係していることがあります。シラカンバ花粉症の方では、リンゴやモモを食べると口の中がかゆくなる口腔アレルギーを併発するケースが多いことが知られています。同じように、スギ花粉症ではトマト、ブタクサ花粉症ではスイカなどで症状を起こす人もいます。心当たりがあれば診察の際にお伝えください。

Q. 舌下免疫療法は秋の花粉にも使えますか?

A. 舌下免疫療法の対象は、スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎です。ブタクサやヨモギなど秋の花粉は対象に含まれません。秋の症状については、花粉を避ける工夫と、症状に応じたお薬で対応します。

Q. 市販の薬で様子を見てもよいですか?

A. 市販薬が使われることもありますが、症状が重い、あるいは続く場合は医療機関の受診がすすめられます。お子さんの場合は年齢によって使える薬が違うため、迷われたらご相談ください。

鼻・目の症状のご相談はこちら

当日の順番を予約する 電話(072-744-1085)

アネモネこどもクリニック(兵庫県伊丹市鴻池6-9-25)
休診日:木曜午後、土曜午後、日曜・祝日

この記事の監修者

アネモネこどもクリニック 院長 横井俊明

横井 俊明よこい としあき

アネモネこどもクリニック 院長

医学博士/日本小児科学会認定 小児科専門医/日本小児神経学会認定 小児神経専門医/公認心理師

大阪市立大学(現 大阪公立大学)医学部卒業。淀川キリスト教病院小児科 医員、大阪市立大学医学部附属病院(現 大阪公立大学医学部附属病院)小児科・新生児科 講師を経て、2011年4月にアネモネこどもクリニックを開院。勤務医時代は小児神経疾患(発達遅滞・てんかんなど)と新生児医療を専門とし、現在は発達心理相談と乳幼児保健に力を入れています。

所属学会:日本小児科学会/日本小児神経学会/日本小児心身医学会/日本小児アレルギー学会

院長紹介・クリニック紹介はこちら →

伊丹市の小児科 アネモネこどもクリニック

アネモネこどもクリニックの外観(兵庫県伊丹市鴻池)

発熱・かぜ症状からアレルギー・神経疾患まで、小児科専門医・小児神経専門医の院長が診療します。予防接種、乳幼児健診、心理発達相談(完全予約制)にも対応しています。

〒664-0006 兵庫県伊丹市鴻池6-9-25/電話 072-744-1085
休診日:木曜午後、土曜午後、日曜・祝日

参考文献・出典

  • 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」(2022年3月改訂版) PDF
一覧へもどる

pagetop