スギ花粉症の舌下免疫療法は夏から年内の開始を シダキュアの始め方・期間・副作用を解説

こどもの病気なるほどコラム

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こどもの病気なるほどコラム
  • 2026.10.16
  • アレルギー

スギ花粉症の舌下免疫療法(シダキュア)は夏から年内に始めるのがよい理由

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この記事の要点

  • スギ花粉症の舌下免疫療法(シダキュア)は、スギ花粉が飛んでいる時期には新しく始められません。これは決まりごとです。
  • 始める前に血液検査などでスギ花粉症の診断が必要です。スギ花粉の飛散が始まる前の夏から年内の服薬開始をおすすめしています(「年内まで」という決まりがあるわけではありませんが)。
  • 続けていただく期間は3〜5年が目安です。数週間から数か月といった短期間で効果が出る薬ではありません。
  • 錠剤を舌の下に1分間置いていられるかどうかも、服用を開始出来るかどうかの判断材料の1つです。

舌下免疫療法とはどんな治療か

舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を毎日内服し、体に慣らしていく治療です。スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎に対する薬があります。この記事では、スギ花粉症の舌下免疫療法(お薬の名前はシダキュア)について説明します。

花粉症や鼻炎を治療する飲み薬や点鼻薬は、アレルギー症状の程度を軽くする治療薬です。それに対して、アレルゲン免疫療法は花粉症そのものを治す治療法です。近年は、副作用が少なく、月に1度の通院で可能なこの舌下免疫療法が、良い成績をあげています。

なぜ「年内に始める」ことが勧められるのか

理由は4つあります。1〜3はこのお薬の決まりごと、4は治療そのものの性質によるものです。

理由1 花粉の飛散時期に治療を始められない

スギ花粉が飛んでいる時期に、内服治療を始めることはできません。舌下免疫療法はアレルゲンそのものを極少量内服する治療であるため、この時期はスギ花粉に対して体が過敏になっており副作用が出る可能性があるためです。スギ花粉が飛ぶのは春が中心で、飛び始める時期は、冬の気温によって前後します。

理由2 始める前に検査が必要

治療を始める前に、血液検査等でスギ花粉症の診断を行うことが定められています。すでに検査を受けている場合は、その結果をご持参ください。

理由3 1週間かけて量を増やす

最初の1週間は2,000JAUの錠剤を1日1回、2週目から5,000JAUに増やします。初回の内服は院内で実施し、服薬後30分間、副反応の有無を確認します。

理由4 効果はゆっくり現れる

内服を続けていただく期間は、3〜5年が目安です。効果が出るまでじっくり長期間続ける治療です。

舌下免疫療法のご相談

くしゃみ・鼻水・鼻づまりが続くお子さんで、舌下免疫療法をご検討の方は、一般の診療時間内にご相談ください。治療の対象になるかどうかを、診察と検査のうえで判断します。

当日の順番を予約する 電話で相談する(072-744-1085)

お薬の飲み方と、飲むときの約束ごと

  • 1日1回、錠剤を舌の下に1分間保持してから飲み込みます。そのあと5分間は、うがいや飲食を控えます。
  • 服用の前と、服用後2時間は、激しい運動・入浴を避けます。血のめぐりがよくなってお薬の吸収が進み、副作用が出るおそれがあるためです。
  • 万一のときに対応できるよう、家族がいる場所で、日中に服用することが勧められています。
  • 喘息の発作が出ているとき、症状が激しいとき、かぜなどの急な感染症にかかっているとき、体調が悪いときは、服用してよいか医師に相談してください。
  • 口の中の強い腫れ、息苦しさ、喘息、じんましんなど副作用を疑う症状が出たときは、服用を中断してご連絡ください。

受けられない場合・注意が必要な場合

受けられない方

  • このお薬でショックを起こしたことがある方
  • 重症の気管支喘息の方

確立していないこと

  • スギ花粉以外のアレルゲンにも強く反応する方(血液検査で複数のアレルゲンに高い値が出る方)については、このお薬の効き目と安全性が確かめられていません。使われた経験がないためです。

始められるかどうかの判断

  • 錠剤を舌の下に1分間保持できるかどうかなど、適切に服用できると判断された場合に治療を始めます。ご家族にも飲ませ方を説明します。

副作用について

多いのは口の中の症状です。口の中の腫れ・むくみ、口の中のかゆみ、のどの刺激感や不快感、耳のかゆみなどがよくみられます。このほか、口内炎、口の中の痛み、舌のかゆみ、せき、のどの痛み、吐き気・嘔吐、おなかの不快感や痛み、下痢、皮膚のかゆみ、発疹、じんましんが出ることもあります。飲み始めのおよそ1か月は、こうした口の中の症状が出やすい時期です。気になる症状があればご相談ください。

まれではありますが、重い副作用としてショックやアナフィラキシーが起こることがあります。そのため、初回は院内で内服していただき、30分間様子をみます。とくに気をつけていただきたいのは、服用後30分、飲み始めの時期、スギ花粉が飛んでいる時期の3つです。

すぐに受診が必要なサイン

ショックやアナフィラキシーは、早く気づくことが何より大切です。服用後に次のような様子があれば、すぐに医療機関を受診してください。

  • 口の中の違和感、のどのかゆみや異常感、声がかすれる、鼻づまり感、くしゃみ
  • 皮膚のかゆみ、じんましん、赤み、顔のほてり、汗
  • 胸がしめつけられる感じ、息苦しさ、せき、ぜん鳴、唇や指先が青くなる
  • 胃の痛み、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
  • 目が見えにくい、頭痛、耳鳴り、めまい、ふるえ、顔色が悪い、動悸、意識がはっきりしない

どのくらい続ける? どのくらい効く?

続けていただく期間は、3〜5年が目安です。WHOの見解書でも3〜5年を目安とすることがすすめられており、実際の診療ではそれより長く続ける方も少なくありません。

効果の出方には幅があります。舌下免疫療法を含むアレルゲン免疫療法では、8割前後の方で有効性が認められていると報告されています。3〜5年続けた場合には、治療を終えたあとも年単位で効果が続くことが期待できます。一方で、効果が出ない方もいます。

よくあるご質問

Q. 今から始めて、来シーズンの花粉に間に合いますか?

A. 舌下免疫療法は、飲み始めてすぐ効く薬ではありません。続けていただく期間の目安は3〜5年です。花粉シーズン毎に効果を確認しつつ、十分な効果がみられるまでは、別のお薬(抗アレルギー剤)も併用しましょう。

Q. 花粉が飛び始めてからでは、なぜ始められないのですか?

A. 花粉が飛んでいる時期は、スギ花粉に対して体が過敏になっていることが多く、この時期に新しく始めてはいけない決まりになっているためです。すでに内服治療を始めている方は、飛散時期も服用を続けましょう。

Q. うちの子でも受けられますか?

A. 錠剤を舌の下に1分間保持できるかどうかも含て、適切に服用できると判断された場合に始めます。診察のうえでご相談します。

Q. ダニのアレルギーでも受けられますか?

A. スギ花粉症だけでなく、ダニによるアレルギー性鼻炎を対象にした舌下免疫療法もあります。詳しくは診察の際にご説明します。

Q. 毎日忘れずに飲めるか心配です。

A. 毎日の服用を続けましょう。飲み忘れた翌日に2日分を一度に飲むことはしないでください。1日の内服は1錠だけです。また、1分間保持できずに飲み込んでしまった場合も、その日にもう1錠追加で内服はしないでください。飲み忘れが続くときは、自己判断せず受診の際にご相談ください。

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アネモネこどもクリニック(兵庫県伊丹市鴻池6-9-25)
休診日:木曜午後、土曜午後、日曜・祝日

この記事の監修者

アネモネこどもクリニック 院長 横井俊明

横井 俊明よこい としあき

アネモネこどもクリニック 院長

医学博士/日本小児科学会認定 小児科専門医/日本小児神経学会認定 小児神経専門医/公認心理師

大阪市立大学(現 大阪公立大学)医学部卒業。淀川キリスト教病院小児科 医員、大阪市立大学医学部附属病院(現 大阪公立大学医学部附属病院)小児科・新生児科 講師を経て、2011年4月にアネモネこどもクリニックを開院。勤務医時代は小児神経疾患(発達遅滞・てんかんなど)と新生児医療を専門とし、現在は発達心理相談と乳幼児保健に力を入れています。

所属学会:日本小児科学会/日本小児神経学会/日本小児心身医学会/日本小児アレルギー学会

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参考文献・出典

  • シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU/5,000JAU 電子添文(2023年7月改訂・第1版) 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
  • シダキュア スギ花粉舌下錠 患者向医薬品ガイド(2019年11月更新) PMDA
  • 日本アレルギー学会「アレルゲン免疫療法の手引き 2025」 日本アレルギー学会
  • 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」(2022年3月改訂) PDF
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