夜尿症(おねしょ)の治療|6歳になっても続くときは 受診の目安と家庭でできること

こどもの病気なるほどコラム

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こどもの病気なるほどコラム
  • 2026.10.23
  • 小児科一般

夜尿症(おねしょ) 6歳になっても続くときはご相談ください

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この記事の要点

  • 夜尿症は、5歳以上で、1か月に1回以上の就寝中の尿失禁が、3か月以上続く状態をいいます。
  • 5~9歳児における夜尿症の割合は約11%と報告されています。
  • しつけの問題、心の問題ではありません。
  • 放っておいても5歳以降、毎年14%程度ずつ自然に消失していき、10~14際では約4%程度とされています。そのうえで、治療をすると治る割合が高くなり、治るまでの期間も短くなることが報告されています。
  • ご本人やご家族が悩んでいるなら、その時が受診のタイミングです。

夜尿症とは

夜尿症(やにょうしょう)は、眠っているあいだに無意識におしっこが出てしまう状態です。「おねしょ」と呼ばれるものと同じですが、診療のうえでは次のように整理しています。

診療のうえでの整理

  • 5歳以上の子どもの、眠っているあいだの間欠的な尿失禁
  • 昼間の尿もれなど、ほかの症状があるかどうかは問わない
  • 1か月に1回以上の就寝中の尿失禁が3か月以上続く
  • 1週間に4日以上を「頻回」、3日以下を「非頻回」とする

夜間(就寝中)の尿失禁だけがある場合を単一症候性夜尿症、昼間の尿もれ、排尿困難など日中の症状も伴う場合を非単一症候性夜尿症といいます。この2つの区別は診療のうえで重要で、治療の進め方も変わります。

どのくらいの子にみられるのか

夜尿症は、日本の小中学生の約6.4%にみられます。クラスに2人ほどいるわけで、頻度の高い症状ですが、それでいて周囲に相談しづらく、お子さん、ご家族の気持ちや生活の質に少なからず影響を及ぼします。受診をためらわれることも珍しくありません。

しつけの問題ではありません

夜尿症を「親のしつけのせい」「子どもの心の問題」と考えて苦しんでおられる方がおられるかもしれません。夜尿症は、しつけの問題でも、お子さんの心の問題でもありません。恥ずかしいこと、悪いことではありません。また、努力不足、意識不足でもありません。そのため、失敗をとがめるのではなく、受診を含め、何か工夫が出来ないか、一緒に話し合ってみましょう。

待つだけでなく、治療する意味

夜尿症は、5歳以降、思春期までは1年間に14%程度ずつ自然に良くなっていくとされています。「そのうち治る」と言われるのは、このためです。

一方で、生活の工夫をはじめとする治療を行うと、待つだけの場合に比べて治る割合が2〜3倍高くなり、治るまでの期間も短くなることが国内から報告されています。その報告では、1年後に治っていた割合は、治療を受けていない場合が10〜15%、治療を受けた場合は約50%でした。ひとつの報告での数値で、お子さんの状態や治療の内容によって結果は変わります。当院の成績をお示ししたものではありません。

治療を始める目安は、ご本人やご家族が悩んでいるかどうかです。お子さんが気にしている、宿泊行事が不安、ご家族の負担が大きい。そういうときが受診のタイミングです。

夜尿のご相談

夜尿についてのご相談は、一般の診療時間内にお越しください。まずはお話をうかがい、進め方をご相談します。

当日の順番を予約する 電話で相談する(072-744-1085)

こんなときは早めに受診してください

夜尿に次のような様子を伴うときは、一般的な夜尿症ではなく、病気が隠れているかもしれません。早めに受診してください。

  • 体重が減っている、吐き気が続く
  • 異常にのどが渇く、夜にたくさん水を飲む
  • いったん治まっていた夜尿が、急にまた始まった

これらは、糖尿病や尿崩症、腎臓の病気などの可能性がありえます。あてはまっても必ず病気があるという意味ではありません。

また、6か月以上まったく夜尿がなかった時期があって、そのあと再び始まった場合は「二次性夜尿症」といい、追加の評価が必要とされています。診察の際にお伝えください。

受診したら何をするのか

これまでの経過や症状をうかがいます。便秘の有無もうかがいます。

  • 血液検査、腹部の超音波検査やレントゲン検査は必須ではありません。必要と判断したときに行います。

家庭でできること(生活指導)

夕食と水分は早めに

就寝の2時間前、できれば3時間前までに夕食と最後の水分をすませられると良いでしょう。摂った水分の約8割は3時間後に尿になるという研究結果があり、ここが効いてきます。とはいうものの、お腹が空いたのに食べない、のどが渇いたのに飲まないといった我慢のしすぎ・させすぎは体に悪いので、無理のない範囲で意識できれば良いでしょう。

夕方以降の塩分・たんぱく質

夜の尿量を増やす要因は、水分よりむしろ塩分の摂りすぎだという報告が複数あります。夕方以降は、塩分・たんぱく質・牛乳や乳製品・糖分の多い食品を摂りすぎないようにしましょう。

カフェインに注意

カフェインには尿を増やす作用があり、膀胱を過敏にします。見落としがちなのが、コーヒー・紅茶・緑茶だけでなく、ソフトドリンクにも含まれていることがあります。

習い事がある日は柔軟に

夜に運動や習い事がある日は、これらの制限をゆるめて構いません。食事や水分を無理に我慢させることが目的ではありません。特に夏場は熱中症の危険もあります。必要な水分は十分にとりましょう。

生活の工夫だけでは改善しないときの治療

次の2つが最初に試す治療です。どちらから始めるか、途中で切り替えるかは、お子さんの状態やご家庭の事情をふまえて相談しながら判断します。

  • デスモプレシン(飲み薬):夜間につくられる尿の量を減らすお薬です。
  • アラーム療法:尿失禁を感知するとアラームが鳴る機器を使う方法です。

どちらかで効果が出ないときは、両方を併用することもあります。抗コリン薬の併用や三環系抗うつ薬を検討する場合もあります。

また、便秘症があれば、その治療を先に行う場合もあります。とくに昼間の尿もれなどを伴う夜尿は、便秘による二次的な夜尿症であることがあります。

治療の効果は、夜尿回数がどれだけ減ったかで判断します。治療を始めて回数が半分以下に減っていなければ効果なしと考え、次の手を検討します。半分以上減れば効いている、夜尿がなくなるか月1回未満になれば十分に効果が出ていると考えます。

よくあるご質問

Q. 何歳から受診すればよいですか?

A. 夜尿症とみなすのは、5歳以上で1か月に1回以上の夜の尿失禁が3か月以上続く場合です。そのうえで、当院では治療検討の目安を6歳以上としていますが、年齢だけで決めず、困っている、悩んでいるのであれば、ご相談ください。

Q. 夜中に起こしてトイレに行かせたほうがよいですか?

A. 夜寝ている時、深夜に起こしてトイレに行かせるのは、医学的に勧められていません。夜間の睡眠が妨げられると、抗利尿ホルモンの分泌が途切れてしまい、結果的に夜間の尿量が増えてしまうといわれています。また、睡眠不足を招きます。ただし、修学旅行やキャンプ、親戚宅での宿泊など、「どうしても今夜だけは漏らしたくない」という日は、ピンチをしのぐための一時的な対策として夜中に起こしてトイレに連れて行って良いと考えます。

Q. おむつをはかせていると治りが遅くなりますか?

A. 良いとも悪いとも言えません。本人やご家族の負担の程度、宿泊行事など、事情に合わせて使いましょう。

Q. 寝る前の水分を制限したほうがよいですか?

A.日中の飲水量を減らす必要は全くありません。「就寝2時間前(理想は3時間前)までに夕食と最後の水分をすませる」ことが勧められています。ただし、お腹が空いたまま、のどが渇いたまま寝るのもつらいです。就寝前数時間の飲食を控えることを目標としつつ、決して無理のない範囲で進めてください。とくに夏場は熱中症に注意しましょう。

Q. 昼間もおしっこがもれることがあります。

A. 昼間の尿もれなど日中の症状も伴う場合は「非単一症候性夜尿症」といい、夜尿だけの場合と評価や治療の進め方が変わる場合があります。診察の際にお伝えください。

Q. 便秘も悩んでいます。夜尿症と関係ありますか?

A. あります。夜尿症の診察では便秘の有無を確認し、便秘症の治療を優先する場合もあります。あわせてご相談ください。

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アネモネこどもクリニック(兵庫県伊丹市鴻池6-9-25)
休診日:木曜午後、土曜午後、日曜・祝日

この記事の監修者

アネモネこどもクリニック 院長 横井俊明

横井 俊明よこい としあき

アネモネこどもクリニック 院長

医学博士/日本小児科学会認定 小児科専門医/日本小児神経学会認定 小児神経専門医/公認心理師

大阪市立大学(現 大阪公立大学)医学部卒業。淀川キリスト教病院小児科 医員、大阪市立大学医学部附属病院(現 大阪公立大学医学部附属病院)小児科・新生児科 講師を経て、2011年4月にアネモネこどもクリニックを開院。勤務医時代は小児神経疾患(発達遅滞・てんかんなど)と新生児医療を専門とし、現在は発達心理相談と乳幼児保健に力を入れています。

所属学会:日本小児科学会/日本小児神経学会/日本小児心身医学会/日本小児アレルギー学会

院長紹介・クリニック紹介はこちら →

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参考文献・出典

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