HPVワクチンの効果・副反応は?接種回数と公費の対象を解説

こどもの病気なるほどコラム

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  • 2026.09.17

HPVワクチンの効果・副反応は?接種回数と公費の対象を解説

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この記事の要点

  • HPVワクチンの接種が進んだ国や日本の研究で、子宮頸がんやその前段階の病変が少ないことが報告されています。
  • 公費で受けられるのは小学6年〜高校1年相当の女子で、接種回数は2回または3回です。高校1年相当の方は2027年3月31日が期限です。
  • ワクチンを受けた後も、20歳になったら定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。
  • 当院では予防接種の予約ページからご予約いただけます。接種歴や残りの回数が分からない方はお電話でご相談ください。

公費で受けられる方と、高校1年生(相当)の期限

HPVワクチンを公費(定期接種)で受けられるのは、小学6年〜高校1年相当の女子です。伊丹市の2026年度の案内では、平成22年4月2日〜平成27年4月1日生まれの方が対象です。

このうち、2026年度に高校1年生相当となる方(平成22年4月2日〜平成23年4月1日生まれ)は、2027年3月31日が公費で受けられる期限です。15歳以上で接種を始める場合は3回の接種が必要で、標準的な間隔では完了までに約6か月かかるため、2026年9月中の開始が目安になります。期限の近くに始めると、体調不良や休診日、予約の状況によって期限内に終えられない場合があります。期限を過ぎてからの接種は、公費(定期接種)の対象外となります。

HPVと子宮頸がんの関係

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因となって起こるがんです。HPVに感染しても、約90%は免疫の働きによって2年以内に検査で陰性になるとされています。一方で、感染が長く続く(持続感染)と、一部で前がん病変を経て子宮頸がんに進むことがあります。

国立がん研究センターの統計では、日本で子宮頸がんと診断された方は10,457例(2023年)、子宮頸がんで亡くなった方は2,751人(2024年)とされています。

HPVワクチンとは

HPVワクチンは、HPVへの感染を防ぐワクチンです。2026年4月から、公費で受けられるHPVワクチンは9価ワクチン(シルガード9)のみとなりました。シルガード9は9種類のHPVの感染を防ぐワクチンで、このうち子宮頸がんの原因の大部分を占める7種類(16・18・31・33・45・52・58型)が含まれています。厚生労働省は、シルガード9によって子宮頸がんの原因の80〜90%を防ぐと案内しています。

なお、HPVワクチンは感染を予防するためのもので、接種の時点ですでに感染しているHPVを排除したり、すでにできている病変の進行を防いだりする効果は期待できません。

研究でわかっている予防効果

HPVワクチンの接種が早くから進んだ国や日本では、実際の接種状況をもとに、子宮頸がんやその前段階の病変の発生を比べる研究が行われています。研究ごとに対象・ワクチン・調べた病変が異なるため、数値を横に並べて比べることはできません。

国・研究年 対象 何を調べたか 主な結果
スウェーデン
2020年
10〜30歳の女性 約167万人
(4価ワクチン)
浸潤性子宮頸がんの発生 17歳未満で接種:88%少ない
17〜30歳で接種:53%少ない
イングランド
2021年
接種の機会があった世代と、対象外だった世代
(2価ワクチン)
子宮頸がんの発生率 12〜13歳で機会あり:87%減少
14〜16歳:62%減少
16〜18歳:34%減少
スコットランド
2024年
検診・接種・がん登録を結びつけたデータ
(2価ワクチン)
浸潤性子宮頸がんの発生 12〜13歳で接種した女性では、観察期間中に記録なし
日本
2024年
37市町村で検診を受けた20〜26歳の女性 CIN3以上
(重い前がん病変と子宮頸がん)
推定予防効果86%

※表が画面に収まらない場合は、横にスクロールしてご覧ください。

  • スウェーデン:さまざまな条件をそろえて比較した発生率比は、17歳未満で接種した人が0.12、17〜30歳で接種した人が0.47です。
  • イングランド:実際に接種した人を個人ごとに比べたのではなく、「接種の機会があった世代」と「対象外だった世代」を比べた研究です。
  • スコットランド:若い年齢での限られた観察期間の結果であり、将来にわたって子宮頸がんにならないことを意味するものではありません。
  • 日本:検診で異常があった人と異常がなかった人の接種歴を比べる方法(症例対照研究)です。オッズ比は0.14(95%信頼区間0.03〜0.75)で、ここから推定した値が86%です。この研究で見つかった子宮頸がん(扁平上皮がん)10例は、いずれもワクチンを接種していない方でした。

研究結果を読むときの注意

ご紹介した研究は、実際の接種状況をもとに比較した観察研究で、数値はそれぞれの国・年齢・調査期間での結果です。海外の研究で使われたワクチンは2価・4価で、現在日本の定期接種で使われている9価ワクチンとは種類が異なります。これらの数値は、接種を受けるお一人お一人の効果を保証するものではありません。

接種回数とスケジュール

9価ワクチン(シルガード9)で接種を始める場合、1回目を受ける年齢によって回数が変わります。標準的なスケジュールは次のとおりです。

1回目が15歳になる前の場合

合計2回

1 1回目
2 6か月後

1回目が15歳以上の場合

合計3回

1 1回目
2 2か月後
3 6か月後

※図の「〇か月後」は、いずれも1回目の接種日から数えた期間です。

  • 標準的な間隔で受けられない場合:15歳になる前に始めた2回接種は、少なくとも5か月以上あける必要があり、5か月未満で2回目を受けた場合は3回目が必要になります。15歳以上で始めた3回接種は、医師と相談のうえ間隔を調整できることがあります。
  • 2価・4価ワクチンで始めていた場合:サーバリックス(2価)やガーダシル(4価)を1回または2回受けている方は、残りを9価ワクチンに切り替えて接種でき、これまでの接種分を含めて合計3回になります。

接種の予約・スケジュールの確認

接種をご希望の方は、予防接種の予約ページからご予約ください。以前に受けたワクチンの種類や残りの回数が分からない方は、母子健康手帳などの接種記録をお手元にご用意のうえ、お電話でお問い合わせください。

予防接種を予約する 接種歴・スケジュールを電話で相談する

接種をご検討の方は、下の「接種後に起こりうる症状と注意点」もあわせてご確認ください。

接種後に起こりうる症状と注意点

接種した部分の痛み・腫れ・赤み、発熱などが起こることがあります。接種部位の痛みは50%以上の方に起こるとされていますが、多くは数日程度でおさまります。また、注射の痛みや緊張をきっかけに失神することがあります。

シルガード9の添付文書には、重大な副反応として、アナフィラキシーなどの過敏症反応、気管支痙攣、ギラン・バレー症候群、免疫性血小板減少症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が記載されています。いずれも発生頻度は不明とされています。

  • 接種後30分ほどは、体重を預けられる場所に座り、なるべく立ち上がらずに様子を見てください。
  • 接種後に体調の変化や気になる症状が続くときは、まず接種を受けた医療機関にご相談ください。各都道府県には、接種後の症状に対応する協力医療機関も選定されています。

ワクチンを受けても、子宮頸がん検診は必要です

HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるすべての型のHPVの感染を防げるわけではありません。厚生労働省は、ワクチンと子宮頸がん検診のどちらも受けることが重要としています。20歳になったら、お住まいの自治体の案内に沿って、定期的に子宮頸がん検診を受けてください。

当院でHPVワクチンを受けるまでの流れ

  1. 予約する
    予防接種の予約ページ(「予防接種・10か月健診」の窓口)からご予約ください。1人につき1枠の入力をお願いしています。
  2. 伊丹市以外にお住まいの方は、他市依頼書を用意する
    宝塚市・川西市・西宮市など伊丹市以外にお住まいの方が、当院で公費の予防接種を受ける場合は、お住まいの市が発行する他市依頼書が必要です。お住まいの市にインターネットで電子申請すると、自宅に郵送されます。接種日までに届くよう、早めにご準備ください。
  3. 持ち物を確認する
    母子健康手帳、マイナ保険証等をお持ちください。2回目以降は、1回目(または2回目)の接種済証もお持ちください。予診票は当院にあります。
  4. 接種後は30分ほど様子を見る
    接種後30分ほどは、体重を預けられる場所に座り、なるべく立ち上がらずに様子を見てください。

よくあるご質問

Q. 高校1年生(相当)ですが、今からでも公費の期限に間に合いますか?

A. 15歳以上で始める場合は3回の接種が必要で、標準的な間隔では約6か月かかるため、9月中の開始が目安です。標準的な間隔で受けられない場合でも、間隔を調整できることがあります。期限が近いほど体調や予約の状況の影響を受けやすくなるため、お早めにご相談ください。

Q. 2回目以降の接種のときに持っていくものはありますか?

A. 伊丹市の案内では、母子健康手帳、マイナ保険証等に加えて、2回目以降は1回目(または2回目)の接種済証をお持ちいただくことになっています。

Q. 伊丹市以外に住んでいますが、当院で公費の接種を受けられますか?

A. 宝塚市・川西市・西宮市など伊丹市以外にお住まいの方が当院で公費の予防接種を受ける場合は、お住まいの市が発行する他市依頼書が必要です。お住まいの市にインターネットで電子申請すると、自宅に郵送されます。

Q. 当院で接種を希望する場合、どうすればよいですか?

A. 予防接種の予約ページからご予約ください。以前に受けたワクチンの種類や残りの回数が分からない場合は、母子健康手帳などの接種記録をご用意のうえ、お電話(072-744-1085)でお問い合わせください。期限から逆算したスケジュールのご相談も承ります。

HPVワクチンのご予約・ご相談はこちら

予防接種・健診の予約 電話(072-744-1085)

アネモネこどもクリニック(兵庫県伊丹市鴻池6-9-25)
休診日:木曜午後、土曜午後、日曜・祝日

この記事の監修者

アネモネこどもクリニック 院長 横井俊明

横井 俊明よこい としあき

アネモネこどもクリニック 院長

医学博士/日本小児科学会認定 小児科専門医/日本小児神経学会認定 小児神経専門医/公認心理師

大阪市立大学(現 大阪公立大学)医学部卒業。淀川キリスト教病院小児科 医員、大阪市立大学医学部附属病院(現 大阪公立大学医学部附属病院)小児科・新生児科 講師を経て、2011年4月にアネモネこどもクリニックを開院。勤務医時代は小児神経疾患(発達遅滞・てんかんなど)と新生児医療を専門とし、現在は発達心理相談と乳幼児保健に力を入れています。

所属学会:日本小児科学会/日本小児神経学会/日本小児心身医学会/日本小児アレルギー学会

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監修日:2026年9月15日

参考文献・出典

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